興味深い
考古学、民俗学の博物館で貴重な物がぎっしり展示されていると聞いて【天理大学附属天理参考館】に近くに来たついでに寄ってみた。天理教ってことで何となく怖い感じがしていたのだが天理市を訪れるとイメージが変わる。

誰でも入館料を払えば入れ、無料で音声ガイドも貸し出ししている。ボランティアだという職員さんが博物館内にポツンといるが、私があまりにもじっくり時間かけてみているので、こいつ変なオタクもどぎで展示物に害及ぼす奴じゃないや♪って判断されたようで、次第にどこかに行っちゃって一人で心置きなく展示物を眺めることができた。客は一人もいない。
まず入ったら、アイヌ特集だった。飾り物や道具類、洋服やら展示されていた。ポスター掲示で、国立アイヌ博物館2020年4月オープンと知った。アイヌ語ラジオ講座ってのもあるんですね。しかし昨今アイヌ新法の欺瞞とかアイヌ協会の実態とか諸々見聞きしている矢先に、入った途端アイヌ特集だったからドキッとした。
お次は韓国のチャンスンの展示物。映像でチャンスン祭りの様子も。庶民の風刺でうっ憤晴らしで淫らな劇だと言う仮面劇てのも観たが、うっ憤晴らしで何故淫らになるのかが謎だった。様々な踊りや舞もあって衣装が面白い。古道具や生活様式など分かり易く展示されていた。

感動したのがこれ↑ 台湾中国の針金細工。精巧だ!! 歴史的に最高の芝居だと言う皮影劇も映像で観れ、工夫凝らされた看板文化を残すため清朝末の街並みを再現している様も興味深かったな~。

中国台湾のコーナーは、古道具や飾り物や人形芝居の舞台や今にも動き出しそうな操り人形などだけでなく、門とか箪笥みたいのとかも展示されていたなぁ。↑これなんかすっごいよなぁ。
現存するバリ島の先住民族バリアガ村落の様子が↓映像でも観れる。一年の大半を祭りや儀礼で費やすらしい。村人全員で管理し全員で分け合うという稲作が収入源らしいが、人を雇って作らせていて、村人はゆったりとした時を過ごす。小学校はあるらしいし、数人がいっぺんに乗る巨大ブランコみたいのがあってあんなの作れるんだ~っと感心した。しかし炊事、洗濯、家事、織物は全て女性の仕事。が!!男は一体何やってんだ!!?????っと謎いかった。先月読んだ”初期ハーバード大学にネイティブアメリカンのインディアンの学生がいた”という史実をもとに書かれた【ケレイブ】って本にも描写があったが、女性ばかり働いて男はぐーたらなんだよなぁ(笑)

ボルネオの先住民族ダヤックやメキシコやグアテマラの民族衣装、幼いうちから女の子は織物や料理などしこまれ、模様が凝りに凝り文様や刺繍とか派手!! 他にやることないと どんどん凝って派手派手になってくのも分かる気がする。。日本の和服も特に十二単とか正直、アホかっ!?って思うし。で、グアテマラの露店の売手で一人だけ男いた!!が、あとは物を作っているのも売っているのも全部女性。男がぐーたらでビビった。追い出してアマゾネス集団になるのも分かる気がした(^^; インドやパプアニューギニアややらの不思議な仮面とか古道具とか羊皮で作った筏とかもいろいろ展示されていた。

2階は、ブラジルやアメリカやカナダへの日本人の移民と当時の天理教布教のコーナー。様々な証書類などの現物が展示。開拓や開戦時に日本人が収容された様子など。国同士が戦争やらになったら命を奪われるのは覚悟の上、海外旅行でも海外移住でもするものだから逆に収容されるのは有難い側面もあるが、日本も大量に移民となって海外に出て行ったんだよなぁと改めて思い出した。↑開拓住居模型などもあった。
江戸時代からの大小様々な道具類や工芸品、引き札、絵図、看板、家電、乳母車などの展示品。参勤交代の道中の道具、手形、宿帳、大井川川越札などは感動した。越賃が安いのは肩車にのって川を越えるチケット(゚゚;) 鉄道略則や鉄道開通当初から昭和59年までの乗車券展示など不必要な物は片っ端から処分していく私みたいな奴ばかりだとこうはいかないな、と感心した。
古墳時代後期の挂甲はマジビビりましたわ~。もう戦い過ぎだわ昔から。6世紀の埴輪がひび割れはあるが綺麗な状態で残って感動した。13,000年前からの土器やら貝殻アクセサリーやら よく残っているよなぁ。。。
っと3階に入り少ししたところでハングル語の20人位の団体がガヤガヤ来て、展示品の写真をパシャパシャ連写しまくりながら移動し怒涛ごとくものの数分で駆け抜けて出て行った。一体何だったんだろう???? まるで瞬間的暴風のようだった。しかし、日本旅行の様子をアップした韓国人ユーチューバーが可哀想に涙の謝罪においこまれたりだから、気を付けてねと思わずにいられない。
朝鮮半島と中国の昔の物の展示コーナーには高麗の石棺とかも展示されてた(゚0゚; 展示品と共に説明書がある。新石器時代の土器や殷時代の青銅製の矛、斧、刀、鏃や古代貨幣や鏡や漢時代の壺、青銅器、香炉、ランプ、たらい、陶器などすっごーい!!

特に気に入ったのは、陶製明器。顔や表情や姿勢さまざまで、踊りや楽器演奏しているのや犬や牛馬鶏、香炉、家や農舎、竃やランプ、トイレと豚の柵など様々。↑ すっごいよく作られている。今にも動き出しそうだ。

あとはこれ↑も気に入った。可愛い。死後の生活に困らないようにとこんな精巧に作った物を遺骸と共に埋葬したってのが何か凄い。隋唐時代から物に色がついてきて、後漢1~3世紀の灰陶加彩楼閣は、なかなか精巧だし味があって非常に印象に残った。

なんかお腹空いてるのかなぁ?これ↑落雁みたいに見えるんですよぉ~(´○`; このほんわかした感じ優し気で好きだわ~。こういう系いろいろあった(* ´ ▽ ` *)

全漢前3~1世紀の物↑ 不思議文様の物よりはっきりわかる絵が好きだわ~。特にこの馬うまい!! 躍動感がある!
一瞬、団体様が数分間、風のように通過していった他は館内一人でじっくり楽しめた。気づいたら4時間近く経っていた( ̄□ ̄;)!! ヤバイ!!
天理教に対する更なる良いイメージが静かにインプットされた。博物館の展示はもとよりスタッフさんの気遣いも最高でゆっくり見せてもらえ すっごい良かったし、こういう静かな攻め方もあるんだなぁと思った。ガンガンくるだけが能じゃないよなぁと感じましたわ~。
しかし、いやぁ~充実した一時だったなぁ。ちょっと時間ヤバかったけど。。